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硝子に月夜の雫を乗せて・・・「海松藍(みるあい)」

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    この色、なかなか手に入らなかった。一度、ネットの通販で見かけて購入しようとしたが、売り切れだった。みるあいという名前にも惹かれた。日本の伝統色らしい。自分で試してみたいという欲求は日に日に高まるがそれがかなえられないまま、ごく最近まで探していた。

    それが、ようやくかなった。ジェントルインク、「四季彩」シリーズが一堂に会して入荷したという。これを逃せばもう出会えないかもしれない、そんな気がして迷うことなく購入。他の色も購入したがメインは海松藍。

    インク瓶の入った紙箱には桜の花びら、葉の緑、紅葉、雪片が描かれている。早速インク瓶を取り出し蓋を開ける。蓋を開けたときのインクの匂いが好き。蓋に付着したインクを見る。濃い緑だが、深緑というのとも違うし、グリーンブラックというのとも違うような気がする。

    ガラスペンのペン先をインクに浸し引き上げる。ペン先を見ると濃いブルーブラックのようにも見える。紙に触れさせてみる。かなり濃いというかかなり黒い。書き出しは黒が勝っている。数文字書くと、緑になってゆく。「藍」色は見受けられない。

    乾いたところを見ても、インクがたくさん乗ったところは黒に近く、インクが掠れてくると、緑になったゆく。自分が期待していたのとは少し違った印象。万年筆で書くと違うのだろうかとキャップレスつけペンで書いてみる。

    ガラスペンで書くよりはインクフローは安定する。それに伴い色も安定するが、そうなったときに初めてほんの少しだけ濃い藍色が顔を覗かせてくれるうようなきがする。どちらかといえば万年筆向きのインクなのかもしれない。強く濃淡が現れるガラスペンではこのインクの繊細な色は表現しきれないのかもしれない。

    これはこれでいい感じに渋い色でいいのだがもう少し青味が強い方が自分としては好みだ。しばし書いてみてペン先のインクをぬぐい落とすため、水に浸す。するとペン先のインクが水に溶け出すのだが、溶け出した色は緑よりも青が強い。

    実は、この溶け出した色を求めていた。深く濃い青に緑色が見え隠れするような色。それでいて月夜よりは緑が強く出る色、そんな色を欲していた。そうだ、これこそ求めていた色。これが紙面ではうまく出ていないような気がする。

    でも、こういう多面性を持ったインクが好き。基本色や原色はボールペンに任せて、万年筆用のインクにはこういう複雑で多面的な色を自分は求めているのだと、改めて知る。

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      • 2024.03.24 Sunday
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